薄毛や脱毛に気づいたときの本人のショックは想像をはるかに超えるものでしょう。とくに女性にとっては、その精神的苦痛は相当なものだと思います。それだけ本人が混乱しているときに、私たちの周辺にはさまざまな育毛方法が氾濫しています。ワラにもすがる思いで目の前にある育毛剤につい手を伸ばしてしまう、ということになったとしても、不思議のないことかもしれません。でも、そんなときこそ冷静に判断して、正しい育毛方法を選択することが大切です。
薄毛・脱毛にいたる原因や過程は人によってさまざまです。食生活にしても生活環境にしても、どれをとっても人それぞれ。まったく同じ状況にあることはありません。ですから、薄毛・脱毛に悩む人にとっては、極めて個人的なレベルでそれらの原因やプロセスを見心していかなければならないのです。育毛手当の基本はそこにあります。
ところが実際は、そのような手当とはほど遠いものが、ちまたに氾濫しています。脱毛といえば、即育毛剤、というのが現実で、ふりかければ明日にでも髪が生えてくるような錯覚を起こしてしまいかねないものがあふれています。そんな育毛剤は現実にはありません。
育毛・養毛剤の成分は、そのはとんどがアルコール系の血管拡張剤で、そこに、殺菌剤と香料、わずかな栄養成分が入っています。血管を拡張する成分なら、血液の流れがよくなって毛髪部分にも栄養が届き、発毛が促進できるかもしれない、と思われるかもしれません。しかし、これまでに市販の育毛・養毛剤を使ってフサフサの髪を取り戻した人を、私は1人として見たことかありません。それどころか、一時的に血管が拡張されてわずか
な発毛を実感したために、次に再びやってきた脱毛にさらに絶望的になってしまった人を何人も知っています。
市販のいわゆる育毛・養毛剤が、誰にも万能に効くはずはないのです。逆に、その中に含まれる頭皮に吸収されない異物が毛穴に詰まり、毛根にダメージを与え、現在よりもさらに薄毛を引き起こしてしまうという場合が少なくありません。