毎日あたりまえのように使っているシャンプー剤ですが、あなたはどんな基準で、これらを選んでいますか。薬局やスーパーマーケットには、それこそたくさんのシャンプーやリンスが並んでいます。テレビのCMで見たもの、雑誌のヘアケア特集に載っていたもの、いろいろありますね。それを使えばそこに出ているモデルさんのような美しい髪になれるように思えたりもします。もちろんそういった情報は参考にはなるでしょう。しかし、それが実際に自分の髪質に合ったものなのかどうかは疑問です。
ここで少し、美容院で使われているシャンプーについてお話してみましょう。パーマをかける前には必ずシャンプーをします。シャンプーの目的はまず、汚れを落とすことですが、脂分をとるために必要なことでもあります。髪に余分な脂分かあるとパーマがかかりにくくなる場合があるためです。そのために、1回のシャンプーで汚れと脂分かよくとれるように、かなり脱脂効果が高い強アルカリ性のシャンプー剤を使う美容院が多いのです。
皮膚の細胞はケラチンというタンパク質でできています。このケラチンは、PH5.6~6.2という弱酸性で、外の刺激から皮膚を守る役目をしています。また、皮脂腺から分泌される皮脂は、常に皮膚に潤いを与えて乾燥を防ぐ働きをしています。頭皮にも同じことがいえるのです。強いアルカリ性のシャンプー剤で髪を洗うということは、頭皮を保護する皮脂の膜も同時に洗い流してしまうということになるのです。美容院でするシャンプーがこんな状況ですから、私たちが毎日自宅でするための市販のシャンプーにいたっては、事態はさらに深刻になってきます。
シャンプーやリンスを選ぶときに最も重要なことは、自分の髪質に合っているかどうかということです。市販されているシャンプーの表示は「普通の髪用」「ダメージヘア用」「ストレートヘア用」などという判断基準はあるものの、「脂性の髪用」とか「乾性の髪用」
といった基準で判断できるものが、残念ながらほとんどありません。髪質や頭皮には乾性と脂性があり、そのレベルも個人個人で微妙に違います。また、職業など個人の環境によっても、髪の汚れ方には違いが出てくるはずです。もし髪質に合わないシャンプーを使っているとしたら、いったいどのような結果になるでしょうか。通常、頭皮は弱酸性の皮脂膜によって覆われてます。乾性タイプの人はこの皮脂膜がもともと薄いため、脱脂力の強いシャンプーを使ったとすると、皮脂膜は必要以上に流されてしまいます。その結果、髪も頭皮も脱脂状態となって、髪がパサパサになったり、フケが出たり、湿疹ができたり、といったトラブルを起こすのです。
もうひとつ気をつけたいのはシャンプーの香り。シャンプーの香りは、どんなに清潔そうなよい香りでも、これは間違いなく化学製品のにおいです。自然の香りというのはいずれ消えてしまうものですから、数時間前のシャンプーの香りがずっと髪に残っているということは、人工的な香料がたっぷりと含まれている証拠といえます。香りが長続きすればするほど、髪に悪影響を及ぼしていると覚えておいてよいでしょう。
また、ほとんどのシャンプーには、乳化剤として「界面活性剤」が含まれています。石油から合成された界面活性剤は、その一滴でゴキブリを殺せるほど強い脱脂作用があることで知られ、シャンプーに限らずすべての洗剤に使われています。本来は混じり合うことのない水と油を乳化させてしまうほどですから、その威力は相当なものでしょう。頭皮に残された皮脂を根こそぎ溶かして、すさまじい浸透力で皮膚から体内に入ってくるというわけです。つまり、それほどの毒性をもった合成洗剤で髪を洗っているということなのです。
シャンプーとリンスが一体になったリンスインシャンプーという製品もありますが、これはどうなのでしょうか。このシャンプー・リンス一体型にはシリコンやポリマーという化学物質が入っています。髪の毛にプラスチック加工を施すと考えれば、わかりやすいで
しょう。汚れを落としながら髪のケアができるというのは、このトリックにほかならないのです。このようなリンスインシャンプーを長期間使用し続けていると、髪がベタッとしたり、逆にパサパサになってしまったりします。
美容院で強力なシャンプー剤を使うのは、パーマの前にこうしたシャンプー・リンスをしっかり落とす必要があるからなのかもしれません。いずれにしても、髪や頭皮にとっては毎日が苛酷な状況であることは確かなようです。
髪のおしゃれと髪へのダメージを考えたときに、パーマのほかにもうひとつ忘れてはならないのがカラーリングの問題です。女性の髪の悩みのなかで、薄毛・脱毛とともに大きな関心が示されるのが”白髪”の問題ですが、これをカバーするための白髪染めにも、髪を傷める大きな要素があるのです。
よく手入れされた白髪の素敵な方はたくさんいらっしゃいますが、まだ若いうちにチラホラと目立つようになってきた白髪はやはりどうしても気になるものです。しかも最近では、白髪染めではなく、ファッションとしてのカラーリングを楽しむ若い方がずいぷんと増えてきました。
以前は髪を染めるといえば美容院でしてもらうもの、というのが一般的のようでしたが、最近はじつに豊富に、いろいろなカラーリング剤が出回っています。家庭で手軽にできるということが髪を染めることへの抵抗を少なくしてきているかもしれません。
美容院で一般的に行われる髪染めは、ヘアダイと呼ばれている永久染毛で、これが髪や頭皮にとってはとてもおすすめできるものではないのです。ヘアダイは、アルカリ成分を含むジアミン酸系酸化染料、毛髪への浸透を助ける活性剤、そして油性分を配合した第1液と、過酸化水素を配合した第2液を、使用直前に混ぜ合わせて髪に塗る方法。第1液と第2液を混合させることによって2つの液が化学反応を起こし、髪を染めることができるというものです。
このヘアダイはアレルギー・反応を起こすこともあるため、美容院では染める前にパッチテストを行います。しかし、内臓に浸透することなども指摘されており、髪や頭皮に対してよくないばかりか、体への危険もあることを十分に理解しておくべきでしょう。
しかも、このヘアダイを繰り返すことによって、髪の内部に入り込んだ粒子が肥大したまま固まるため、髪のシスチン結合を破壊してしまうという事態も起きてしまいます。その結果、枝毛ができたり髪のツヤがなくなったり、最終的に髪は枯れ本のようになってし
まうのです。これではいくらブラッシングしても、髪は抜け落ちたり切れたりするばかり。とても髪のおしゃれを楽しむどころではありません。
最近はわざわざ美容院に行かなくても、家庭で手軽にヘアダイができるようになってきました。しかし美容院でしたとしてもこれだけ危険がともなう髪染めですから、素人が自分で毛染めをすることはあまり感心できません。どうしてもという場合は、やはりプロに任せるのが賢明です。
こうした問題を抱えたヘアダイに代わり、近頃注目されてきているのがカラーリンスです。これは、熱を加えずに化学染料と特殊溶剤を毛髪のキューティクルに付着させる方法で、シャンプー後にいつものリンスを使うのと同じように使うだけという簡便さが、白髪
が気になる人たちに受け入れられているようです。染色力が弱いので、頭皮や毛髪を傷めないとされているようですが、実際のところ必ずしも安全とは言い切れません。
私のサロンに相談にこられる方のなかにも、最近はカラーリンスを使用している方が目立って増えてきています。その方たちの脱毛の状態を見てみると、髪の毛根部に、細かい粒子のようなものがびっしりとついているのです。健康な髪の毛根は白く丸くなっていますが、カラーリンスを使用している人の毛根の多くは黒く汚れていて、毛乳頭の太さは健康な髪の人の半分もないくらいです。これは私かこれまでに見てきたどの脱毛とも違います。
毛根にびっしりとついていたのは顔料でした。カラーリンスに含まれる顔料が、すべて吸収されずに毛穴に詰まった状態だったのです。たとえていえば、水道管に異物が詰まって水が流れてこない、という状態です。これと同様のことが頭皮に起こっていると想像してみてください。
こんな状態では正常な髪を育てる毛乳頭の部分の活性化が妨げられて、栄養が髪に流れなくなり、髪の毛は抜けやすくなるばかりか、生えても細い髪しか育ちません。抜け毛が増えるのは当然のことといってよいでしょう。白髪による老化の印象を払拭するためにしたことなのに、これでは何の意味もありません。ましてや若い女性がおしゃれのためにしているとしたら、それは若さと引き換えに大事な髪をなくしているということなのです。
それでも、どうしてもカラーリンスを使い続けたいというのでしたら、とにかく使用後によく洗い流すことです。つけている時間を
できるだけ短くすることも必要でしょう。間だけ、あるいは外出時だけ、というように限定して、とにかく就寝中は必ず洗い流した状態にしてください。
最近は天然素材を使ったヘアマニキュアなど、髪や頭皮にやさしい製品も市販されています。安易な化学製品に惑わされず、大事な髪のために慎重に選ぶようにしたいものです。
女性向けのファッション誌では定期的にヘアスタイルの特集が組まれ、テレビではカリスマ的存在の美容師が紹介されるなど、女性たちがヘアスタイルに寄せる関心は半端なものではないようです。ヘアスタイルはファッションの一部。おしゃれを楽しもうと思えば、ストレートヘアをウェーブヘアに、クセ毛をストレートヘアにと、美容院ではいまやあらゆるヘアスタイルが自在にできるようになりました。とくにパーマをかけたウェーブヘアは、髪にボリュームをもたせたい、という人にとっても人気のスタイルです。
しかしそのパーマが、ときとして薄毛・脱毛を招くもとになるとしたら、これはスタイル云々を言っていられる場合ではありません。時代とともにパーマの技術は進歩してきましたが、パーマ液が劇薬のひとつであることに違いはないのです。パーマをかけると髪が傷むということはなんとなく理解していらっしゃるかと思いますが、薄毛・脱毛の原因にもなるということまでは、おそらくご存じない方が多いのではないでしょうか。
一般的なパーマは、2種類の薬品を使って髪の毛にウェーブをつけます。第1液はチオグリコール酸アンモニウムを主成分としたアルカリ還元剤で、毛髪のクンパク質のアミノ酸成分を結び付けている鎖を切る役割をします。そして第2液の臭素酸カリウムという酸化液によって、ふたたびその鎖を結びつけるのです。つまり、第1液をつけて鎖を切っている間にロットを巻くなどして髪にクセをつけ、その状態のまま第2液をつけて鎖をつなげるのが、いわゆるコールドパーマで、タンパク質の酸化還元作用を利用した化学的な方法といえます。
第1のアルカリ還元剤には、ある一定の時間内なら髪の毛を浸しておいてもよいという規定がありますが、しかし、規定はあくまでも規定です。髪の状態は人それぞれに違いがあります。パーマがかかりやすい人がいれば、かかりにくい人もいます。髪の太さもいろ
いろなら、髪のクセもさまざまです。このように人によって千差万別の髪をすべて一様に扱うとしたら、これはとても危険なこと。ときにはかなりのダメージを与えかねません。
15分間以上アルカリ還元剤に浸された髪は、もうそこですでにボロボロの状態になっています。このようなパーマを繰り返しかけていれば、髪のツヤがなくなってパサパサになり、枝毛も相当に増えてしまうはずです。私のところに相談に訪れたある女性は、こうしたパーマの影響でブラッシングのたびに髪が切れてしまうほどひどい状態になっていました。
パーマ液は当然ながら髪につけるものですが、どうしても頭皮にも浸透してしまいます。酸性やアルカリ性の強い物質が皮膚について、なにも影響がないとは言い切れませんし、とくに第2液の臭素酸カリウムは、発ガン性物質に指定されているほどの薬品であることも覚えておかれた方がよいでしょう。
最近はコールドパーマのほかに、酸性パーマ液やO2パーマ液、システィンパーマ液などがあるようです。髪が傷んでいる人や肌の弱い人、ヘアダイをしている人は、チオグリコール酸アンモニウムを主成分とした液を使用するコールドパーマは、できれば避けておく方が賢明です。
禁煙が世界的に広まる一方で、体によくないことはわかっていても、タバコをやめられないという人がまだまだ少なくありません。そんななかで中高年男性に禁煙が浸透してきているせいか、近頃目立つのが女性の喫煙者です。
ご存じの方も多いと思いますが、タバコは肺ガンや動脈硬化を引き起こす要因になるという調査結果があり、タバコに含まれるニコチンやタールなどの有害物質が肺に付着して酸素交換を悪くするといわれています。酸素の供給が悪いということは内臓の各器官への
栄養も不足するということで、毛根のような末梢の血管であればなおさら、栄養分が行き渡るのは難しくなるのです。栄養が行き届かなければ、ツヤのある美しい髪が守られるはずはありません。喫煙すると肌の表面がカサカサしたり、顔色が黒ずんできたりするのと
同様に、髪もパサパサになるなどのダメージを受けるのです。
また、タパコには血管を収縮させる作用があるため、妊娠中の女性がタバコを吸った場合、胎盤を通して赤ちゃんに酸素を供給することができなくなる場合があります。そのため、ときには未熟児として生まれたり、あるいは死産になったり、といった大変な結果を招くことになってしまうのです。
タバコはさらに、吸っている本人だけでなく、その周辺の人々にも迷惑が及ぶことに問題があります。タバコの煙は本人が吸い込む「主流煙」の害よりも、燃えているタバコの先端から立ちのぼる「副流煙」の害の方が大きいといわれます。喫煙者の妻が肺ガンにな
る率が、非喫煙者の妻が肺ガンになる率のおよそ2倍という調査結果は、「副流煙」の害の恐ろしさをはっきりと示しているといえるでしょう。
世界的な禁煙傾向に逆行するように、日本では最近、若い女性の喫煙率が上昇しているようです。もしかしたら薄毛に悩む若い女性の増加は、最近の喫煙率に比例しているのかもしれません。
実際に確認されているだけでも、タパコには200種類を越える発ガン物質が含まれているといわれています。内臓にとっても、肌にとっても、そして髪の毛にとっても、タバコは”百害あって、一利なし″です。
現代人にとってストレスは、今、最も重要な問題になっています。男女を問わず、大人子供を間わず、ほとんどの人がなんらかのストレスを抱えて生きているこの時代。そのなかでも近頃とくに多方面から注目されているのが、女性のストレスの問題です。
仕事をもつ女性にとっては、ビジネスの現場はまだまだ男性社会で、職場の環境も万全とはいえません。仕事をもちながら家事や育児に奮闘する女性も少なくありませんし、また逆に社会との接点が限られた専業主婦にとっては、相談相手のいない孤独感がストレスの原因になっている場合もあるでしょう。高齢化社会のなかでの介護の間題や将来の不安、子供の教育間題、長引く不況にともなう経済的な問題などなど、ストレスの材料になることがらが私たちの周辺には山積みになっているのです。
現代に生きている以上避けては通れそうもないストレスですが、こうしたストレスはいったい私たちにどのような影響をもたらすの
でしょう。精神的なストレスが体に与える影響は人それぞれですが、たとえば動悸やめまい、肩凝り、偏頭痛などの症状があらわれたり、なかには極度のストレスから神経症になる場合もあります。
こうした症状の原因がストレスだとわかる以前は、これら確たる原因のわからない症状を総合して「不定愁訴」とか「自律神経失調症」とされていました。そして今では若い女性に多い「過呼吸症候群」や「ドライアイ」など、症状別に呼ばれるようになってきたの
です。またこのほか「過敵性腸症候群」や「神経性胃炎」といった、あきらかにストレスが原因と思われる内臓の病気も増えています。
こうしたストレスによって起こるさまざまな症状は、自律神経とホルモンが大きく関わっているといわれます。心と体がうまく連携し正常に機能するためには、自律神経とホルモンのどちらもが、微妙なバランスを保つ必要があります。それによって初めて人間は、体温の維持、食物代謝、免疫機能などの、人体に備わっているホメオスタシス(生体恒常性)を、正常に維持することができるのです。
自律神経とホルモンのバランスは、当然ながら髪にも多大な影響を与えています。自律神経は血管を包み込むように分布していて、その神経が血管を収縮させたり拡張させたりして、血液の流れをコントロールしています。血液は体の各臓器に栄養や酸素を送り届ける重要な働きをしていますから、血液がスムースに流れなくなると、体にさまざまな障害が起きてしまうのです。
頭皮にも同様のことがいえます。仮に、ストレスによって自律神経が反応して頭皮の血管が収縮ぎみになったとします。すると毛根に運ばれるはずの血液の量が減って、そこには栄養が届かなくなり、結果として貧弱な髪の毛しか生えてこなくなってしまうのです。
また、ホルモンは各細胞の活動を刺激することによって、体全体の機能の働きを調整する役割も果たしています。ですから、たとえば脳下垂体ホルモンに異常が生じた場合、成長ホルモンに影響を与えるために陰毛や絨毛が薄くなってきますし、甲状腺ホルモンの機能が低下すると、髪の毛は柔らかく、やせ細って産毛のようになってしまうのです。こんな状態が続けば髪の毛全体が薄くなってしまって当然といえるでしょう。
髪のトラブルにはさまざまな原因があり、それが複数絡み合って起こるわけですが、その原因のなかでもとくに、ストレスが占める割合は大きいといえます。自分でも気づかないうちに、いつの間にかストレスを抱え込んでいる場合もあるかもしれません。髪のトラブルに悩みはじめたらまず、ストレスの原因を探しだしてみてください。
薄毛・脱毛に悩む方の低年齢化にともない、その要因となったもののひとつに、女性たちに共通する生活スタイルの特徴があげられます。その代表的な例が「睡眠不足」。受験勉強、あるいは男性と肩を並べての仕事、そしてアフター5でのストレス発散、近年はテレビゲームなども入るでしょうか。どんな理由であれ、とにかく睡眠が不足していることに変わりはないようです。夜寝るのは遅いけれど朝起きるのも遅いので、8時間は寝ているから大丈夫、という人もいるかもしれません。はたして、8時間睡眠をとってさえいれば何の間題もないのでしょうか。
人間の体には生物時計という体内時計が備わっていて、午前0時から4時までは血圧が下がり、昼間働いていた交感神経に代わって、自律神経の副交感神経が働き、一日のうちで最も眠りに入りやすい状態になります。そして最も眠りが深くなる時間帯が、午前0時から2時までなのです。副交感神経が働くことによって、人間にとってはとても大切な成長ホルモンの分泌が促されます。つまり、自然に備わっている体内時計を無視して、本来は眠るべき時間帯に起きているとしたら、あなたの体は相当なエネルギーを消耗していることになるのです。
このように体内時計を無視した生活を何日も続けていると、体は安息の時間を得られず、常に緊張状態となってアドレナリンが過剰に分泌されるようになります。その結果、血管内に中性脂肪が増えて血液の流れが滞り、栄養や酸素が各臓器に十分に送られなくなってしまうのです。そうなると、まず体温の低下という影響があらわれます。人間の体温の平均は36.5度くらいで、食物代謝や免疫機能を正常に働かせるための最適温度です。ところが血液の流れが滞り、細胞が活性化されず、新陳代謝が活発でなくなると、体温低下という悪循環を招いてしまうことになるのです。
体温が0.5度下がると免疫力は65パーセントに低下し、体温が1度下がると代謝能力は75パーセントに下がるといわれます。その
ために、顔色が悪くなったり、肩凝りが起きたり、疲れやすくなったり、という症状があらわれるのです。そしてさらには、体温の低
下にともない頭皮温度も低下します。
頭皮温度は接触温度計によれば体温より若干低く、健康な頭皮であれば普通は31度か32度くらいです。薄毛・脱毛が進んだ頭皮の温度が27度から28度くらいしかないことをみても、体温の低下による頭皮温度の低下は、よくない状況であることはあきらかです。
髪と血液の流れは非常に密接で、重要な関係にあります。血液の流れは髪の命のもと、と言っても決して過言ではありません。この関係を常によい状態に保つためにも、人間の体に自然に備わった体内時計に従い、規則正しいリズムで生活することが大切です。眠りにつくまでに1時間の余裕をみて、遅くとも午後H時には床に入る習慣をつけるようにしましょう。
ダイエットに関心をもつ女性は少なくありません。えっ、こんな人までがと思うほど、ごく普通の健康的な体型の人までもが、さかんにダイェットなるものを実行しているようです。ダイェットとひとくちにいってもその方法はさまざまです。理想的なダイエットとしては、1日に必要な栄養をバランスよくきちんととりながら、余分なカロリーを控え、少しずつ体重を落としていくという健康的な方法があげられますが、一方で、食事は1日1食しかとらないというような、ほとんど絶食状態といえる無謀なダイエットを実行している人も少なくないようです。
人間の体はいくつかの栄養素をきちんととることで、健康を維持できるようにできています。その栄養素がきちんと摂取されないということは、その人の体はまさに「栄養失調」状態。そんな体の一部である髪の毛にも、当然ながら栄養が行き渡らなくなってしまって
いるということになります。髪の毛も体と同様に、栄養が必要なのです。
私のところを訪れた相談者のなかにも、このような無謀なダイエットをしたために、脱毛という結果を招いてしまった人が少なくありません。どうしてもダイエットしたいという場合には、とにかく「健康」をまず第1に考えることが大切です。
食生活の変化は、私たちにつぎつぎと便利で手軽な食品を提供し続けてくれています。その代表的なものがさまざまな形で出回っているインスタント食品。お湯をそそぐだけ、あるいは電子レンジで加熱するだけでできあがるのですから、忙しい現代人にとっては重
宝この上ないものでもあります。だからといって、あまりにこれらインスタント食品に頼り過ぎてはいませんか。
インスタント食品が出始めた頃に食品添加物の害が叫ばれたこともあって、少しずつ改善されてきてはいるようですが、しかしそれでも限界があるのはたしかです。手間がかからないように、しかもうま味があるように作られていればいるほど、人体に悪影響を及ぼ
す有害物質が含まれているのは仕方のないことでしょう。ですが、こうした有害物質を含む食品を食べ続けていると、いつのまにかそれらは体内に蓄積され、内臓の諸器官を形成する細胞に悪影響を与えるようになります。内臓に悪影響が及ぼされるということは、必
然的に髪の毛にもその影響が及ぶことになるのです。
そうした食品の影響の現れとみられているものに萎縮毛、つまり「ちぢれ毛」があります。毛根部からくるりと丸まった「ちぢれ毛」は、直毛とは形態的に異なります。インスタント食品が大量に出回るようになった昭和30年代後半を境に、突然変異奇形細胞という異常な細胞をもつ若い人が増え、その若い人たちに共通しているのが、それまで日本人には少ないといわれてきたこの「ちぢれ毛」なのです。
現在もインスタント食品の勢いはとどまることを知りません。こうした食品なしでは、もはや食生活がなりたたないという人もいるのでしょう。さらには、スーパーマーケットには出来合いのお惣菜が豊富に並び、ファーストフード店も若い人だちから家族連れまで、昼夜を間わずにぎわっています。便利だから、手軽だから、とつい利用してしまいがちですが、こうした食生活が頻繁に続くということは、栄養が偏り、体内に有害物質を蓄積させてしまい、ひいては髪の毛にダメージを与えかねないのです。
世界中のさまざまな料理が楽しめる、現代日本の美食指向は高まるばかり。そのなかで日本食は世界からの注目を集め、とくにアメリカでは、スシ、サシミ、トーフなどの日本食が、ブームといえるほど熱い支持を得ています。「日本食は健康によい」というのがブームとなった理由ということですが、外国からも称賛される日本食を、日本人が無視してしまっているとしたら、これはおかしな話です。
欧米人はもともと狩猟民族ですから、捕らえた獲物を食料とすることで、タンパク質を摂取していました。その動物性タンパク質は狩猟をするための大切なエ不ルギー源であり、人々の体も摂取した動物性脂肪を、分解して排泄する能力をしっかりと備えていたといえます。それに比べて、もともと農耕民族であった日本人は、畑を耕し、海や川で魚や貝を採取して食べていたわけですから、狩猟民族の欧米人ほどエネルギーを必要としない体質であったことがわかります。
長い年月に培われた食生活と、それに慣らされてきた体質はそう簡単には変わりません。ところが、戦後から現代にかけての急速な欧米化とともに、私たち日本人の食生活もずいぶん変化してきました。高タンパク、高カロリーである動物性のタンパク質や脂肪は、動脈硬化、心臓病、高血圧、肥満といった成人病の大きな要因といわれ、とくに動物性脂肪に含まれるパルミチン酸、ステアリン酸は成人病を引き起こす要因が強いとみなされています。
こうした動物性タンパク質や脂肪を頻繁に、そして大量に摂取するようになった私たち日本人が、やがて体の不調を訴えるようになったとしても、それは当然のなりゆきといえるでしょう。
心臓病、高血圧、動脈硬化などの血管に関係する病気は、脂肪酸が血管に付着することで血液が汚れ、血流が滞ることに起因しています。そしてそれは、私たちの髪の毛を作る毛母細胞にまで影響を及ぼしてくるのです。細胞が増殖機能をうまく働かせることができなければ、髪の毛の老化が進むのは当然のことといえるでしょう。
10代や20代の若い女性たちが脱毛や薄毛に悩み、それが全女性の30パーセントにまでも及ぶという、戦前では考えられなかったような事態は、こうした現代の食生活事情とおよそ無関係とはいえません。美しい髪をいつまでも保つためには、女性は25歳を過ぎた頃から、男性は20歳を過ぎた頃から、肉類はあまり多くとらない方が賢明です。
美しくありたい、と願うのは女性なら当然のことです。新しい服を身につけたときの心躍る気分は、たとえ幼児といえどもその例外ではないでしょう。髪の美しさにもそれと同じことがいえます。
古くから「髪は女の命」といわれるように、女性にとって髪の美しさを保つことは大きな関心事。ところが近年、その命とまでいわれる女性たちの髪に、ちょっと異変が起きています。それは脱毛症の激増という深刻な事態。私の育毛サロンを訪れる方も年々増えているのが実情で、その方たちの症状は多様になり、従来にも増して深刻化しています。
特筆すべきは10代の女性による脱毛相談が増えていることでしょう。しかも低年齢化はさらにすすみ、幼児にまで達しているのが現実です。
薄毛・脱毛が男性の悩みとされたのは、もう過去のこと。今では女性の30パーセントが、この切実な悩みを抱えているといわれています。私たちを取り巻くさまざまな社会環境の変化は、自分の髪がいつ脱毛という事態に陥っても不思議はないほど、苛酷なものになりつつあるのです。
では実際にいくつかの項目をたてて、あなたの髪が今どんな状況下にあるのか見直しながら、その事情を解説してみることにしましょう。